名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2022年2月分>

第631回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2022年2月8日(火)
東海3県にまん延防止等重点措置が発出されており、感染防止の観点から書面により審議する形式で開催した。
委員全員の書面受領完了をもって開催日とした。
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、長山智香子、伊藤久德、野々上いり子、奥田太郎、照屋エイジ

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • 『年末もドデスカ!東海3県マチQ SP~クイズで魅力再発見~』(2021年12月30日(木)15:00 ~16:00放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • レギュラー放送の『ドデスカ!』とは異なる時間帯で放送された本番組は、番組のファンを増やすという役割も担っていたと思う。新規の視聴者を大切にし、これからの展開に期待を持たせる要素が散りばめられていると良かった。
    少し内輪のノリになり過ぎているのと、間延びした印象を受けた。こうした演出をするなら、レギュラーメンバー以外の出演者を加えて、客観的な視点から突っ込みを入れるなどの工夫があると良かったと思う。
  • 東海3県の魅力を再発見というコンセプトは、コロナ禍のもとでマイクロツーリズムに注目が集まっているなか、時宜にかなっている。地元でも知られていないかもしれないこと、旬のものや体験観光、また環境保護や社会課題に向き合った持続可能な社会づくりを目指すSDGsにも繋がる内容もあり、バラエティに富んでいて満足して見ることができた。
    このコーナーはいつか、自分の地元が紹介されるかもしれないという期待感がある。今後もまだまだ知られていない地域の魅力や、特色ある取組みを発掘することを期待している。
  • 番組で伝えたかったマチの魅力とは何だったのか、戸惑いを覚えた。子供たちのけなげな取り組みや人との交流、地域の人々の営みといった温かな人間模様は、素敵なことにちがいないが、軽いノリが売りのバラエティ番組で、「再発見」を標榜して伝えるのであれば、もう少し違った演出の仕方があったように思う。
    名古屋の金ピカポストとスパゲッティを衝撃の事実として、栄の魅力再発見と表現したのは安直すぎる。商品のコマーシャルと思われる表現もあった。
  • 女性アナウンサーが亀の甲羅を背負って歩いたり、滝に打たれて高い声で叫ぶシーンは、子供っぽさやジェンダーの役割を強調していたように感じられた。制作者に、こういう演出が「面白い」「視聴者にウケる」という暗黙の了解があるのかと、気になった。
    ウミガメの産卵数が年々減っている原因について、説明されていないように思われた。原因を曖昧にしたまま、子供らにウミガメがいずれ帰ってきて産卵するのを楽しみにしていると言わせるのは、産卵が増加に転ずる保証がない現実から目を逸らせ、無責任に自然と子供の表面的なイメージを作ることになるのではないか。
  • アナウンサーが実際にマチを訪れ体験するというスタイルは、「マチの魅力再発見」のリアリティを高める上で効果的だった。ヒダスケで雪囲いを体験するシーンでは、ヒダスケ自体の魅力が紹介されていて良かった。
    すでに多くの市町村が取り上げられているが、市町村や企業等からの情報提供が主体となると、情報に偏りが生じる可能性がある。どのような基準や方法で情報を選定しているのか。情報を取り上げるうえで、宣伝にならないような取り組みはあるのか。
  • 初めて「マチQ」を見た視聴者も、普段から見ている視聴者も、ともに楽しめる内容だった。全体を通してバランスが良く、視聴者をきちんと見定めて、工夫を凝らして作られていて、気ぜわしい年末のながら視聴でも、充分に楽しめる番組だった。
    要(かなめ)となるクイズの出し方では、もったいないと感じる部分があった。おやきを紹介したシーンは、クイズ自体よりも、おやきを食べた小学生のリアクションのほうが伝えたいところで、それをわざわざクイズで表現するという演出が必要だったのだろうか。ウミガメの産卵減少や郵便ポストの設置基準などの情報のほうが、クイズに相応しいのではないか。
  • 登場人物に親しみがわく番組だが、番組内の内輪感がやや強く、初めて見る視聴者が入り込みにくいとも思った。ふだんの『ドデスカ!』内でのコーナーの方が、生放送独特のテンポもあってか、視聴者が入りやすいと感じた。特番の狙いはそれでよかったのか。
    紹介された地域のことではなく、出演したゲスト同士の掛け合いの方が印象に残った。こういう構成は「マチQ」のコンセプトに合っていないのではないか。クイズのなかには、あってもなくてもよいような内容もあり、お座なりなものに感じられたのが残念だった。
  • 元の情報を中心に作られていて、たいへん興味深く視聴することができた。全体を通して、クイズ形式はだれでも気楽に入り込めるような流れになっていたが、後半部分のクイズの回答が意外性に乏しく、回答を受けてスタジオの出演者がどう盛り上げていくのか、少し苦慮しているようにも見受けられた。
    ウミガメの紹介については、可愛らしい姿や生態、保護の取組みの歴史も取り上げられていて、満足感の高い演出だった。他方、サウナと滝つぼの紹介は、この時期に見ると肌寒さが感じられ辛そうに見えたが、アナウンサーが天真爛漫に伝えていたところは良かった。

局側は

  • 今回の「マチQ特番」は新たな視聴者を獲得するため、いつもの『ドデスカ!』とは違う展開を想定して制作した。しかし、結果として「内輪っぽい」内容になったことは、制作者としても感じている。クイズの内容についても課題で、視聴者に興味深く感じていただくために、今後とも、努力していきたい。
  • 「マチQ」コーナーを担当するアナウンサーが、それぞれのマチでさまざまな体験をするブロックと、コメンテーターが地元で以前から気になっていた情報を取り上げるブロックで、バリエーションをつけたが、説明不足となった部分もあった。
  • 「マチQ」の情報選定は、季節や旬な話題を考慮して「マチ」を決めている。各市町村に相談したり、タウン誌やネットなどからも情報を探している。店舗や商品を紹介する時は、視聴者の方に興味を持っていただけるか、新しい発見はあるかということを第一に選んでいる。
  • 「100万円プレゼント」については、普段『ドデスカ!』を見ていただいている視聴者のみなさんに「お年玉を!」という意味合いで実施した。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2022年3月8日(火)16時~