名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2021年5月分>

第624回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2021年5月14日(金)
新型コロナウイルス感染症拡大の現況を踏まえ、感染防止の観点から書面により審議する形式で開催した。
委員全員の書面受領完了をもって開催日とした。
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、長山智香子、伊藤久德、野々上いり子、奥田太郎、照屋エイジ

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • 『アップ!第1部』(15:40~16:40放送)『アップ!第2部』(18:15~19:00放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • メ~テレのニュース情報番組は、朝の『ドデスカ!』と夕方の『アップ!』があり、この二つの番組の組み合わせが最もメ~テレらしい。東海3県に住んでいる人にとって、二つの番組を視ていれば日常生活はまず大丈夫、という印象を受けた。コロナ感染症のワクチン接種の運営が遅れていることについての報道は、そのことを批判するのでなく、視聴者、地域住民に寄り添う形で伝えられていて、大変好感が持てた。
  • ニュース情報番組は、日常的なテーマを広く早く伝えることが求められているため、情報が表層的で詰め込み型になる印象を受けていた。しかし、夕方の時間帯に情報を得ようとするたくさんの視聴者がいるのであるから、テレビ局の使命としてそのニーズにきちっと応えることには十分価値がある。コロナワクチンの話題でも、情報が要領よくまとめられていたと評価する。
  • ワクチン接種した男性が「自分がうつしたくないから感染したくない」というコメントが採用されていた。これはワクチン接種について伝える文脈で必要だったのか疑問に思った。感染した人間は思慮を欠く不注意な行動をしているといった、誤った感覚やそれを連想させたりする可能性がある。取り扱いに気をつけたほうがよいと思う。
  • 高齢者向けのワクチンについて、アナウンサーがゆっくり丁寧に説明していたことに加え、画面に文字でも表示するなど制作者の配慮が感じられ分かりやすかった。私たちは情報を知らないから不安になる。それを解消してくれる番組の存在はたいへんありがたい。丁寧な情報の積み重ねは地元テレビ局への信頼につながる。
  • アナウンサーの切れの良い番組進行、聞きやすいニュース説明に加えて、地域に密着した天気予報や情報を分かりやすく提供する地域放送局らしい番組。東海3県のライブカメラから、立体感を持たせて天気の様子を伝える工夫は素晴らしい。
    ワクチン接種には多くの市民が不安を感じており、自治体の業務負担につながっている面もあるが、メディアが市民と自治体の仲介をする報道は効果的だと思う。一連の報道は良かった。
  • まさに地域の「イマ」を伝えるという役割を果たしていて、興味をもって見ている人が多かったのではないか。コロナ報道では、ワクチン接種会場のスムーズな運営、注射は痛くなかったなど良い面を強調しすぎているように感じた。また、予約が取りにくいという状況をただ伝えるだけでなく、どうすればよいかを分かりやすく解説するなど、不安を解消するためにもう一歩踏み込んで寄り添う報道であってほしい。
  • 大道芸人の特集は、新型コロナが個人経営の文化活動に及ぼす影響を伝える貴重な証言だ。若い芸人さんたちの大道芸は見ていて楽しい。ソーシャルディスタンスを守ってパフォーマンスを維持するか、オンラインに移行するかの決定的な違いは、芸風による観客との近さ・遠さや家族構成だったという視点は、ちょっとしたことが運命を分けてしまうという普遍的な物語で、心が動かされた。
  • 医師による解説部分に不親切な部分が見受けられた。たとえば、医師の予見が、いい方向でこそあれ、外れてしまっていたのに、その医師の見解をそのまま容れるような構成を繰り返してもよいのか。予想をこえてしまった理由は何だったのか、簡単にでも説明があればより信頼性が高まったのではないか。医師の解説で、音声が聞き取りづらいところがあった。

局側は

  • ワクチン接種した高齢者への取材に限らず、インタビューのどの部分をニュースで使うかは、取材記者だけでなく、報道デスクも丁寧にチェックしなければいけない。VTRの流れのなかで、事実関係、発言の意図が適切に反映されているかを留意する必要があると考える。
  • ワクチン接種の予約が取りにくいというニュース、申し込み方法についての詳しい情報は、地域に寄り添い信頼されるメディアとしてこだわってお伝えするべきテーマだと考えている。引き続き、専門医の協力を得て多角的に取り上げたい。各自治体で申請方法やスケジュールが違うためテレビで紹介する難しさもあるが、可能な限り分かりやすくお伝えしていきたい。副反応にことさら着目して不安をあおることがないように留意していきたい。
  • 大道芸人の特集は、若手ディレクターがコロナ禍にあって見過ごされがちな方を取り上げた企画である。いただいた評価を今後の取材に活かすことができるよう、ご意見をディレクターに伝える。
  • リモートでインタビューする手法は、コロナ禍によってテレビで多用されるようになったが、まだ不安定になることがある。映像・音声の質を改善するため通信回線や設備を整えて、ブラッシュアップしていく。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2021年6月8日(火)16時~