名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2021年2月分>

第621回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2021年2月15日(月)
新型コロナウイルス感染症拡大の現況を踏まえ、感染防止の観点から書面により審議する形式で開催した。
委員全員の書面受領完了をもって開催日とした。
参加者(書面)
(敬称略)
  • 副委員長:五藤義徳
  • 委員:神田真秋、久冨木原玲、小林弘明、佐野智恵子、長山智香子、村田陽子

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • 『旅してゴメン特別編 冬の琵琶湖 魅せる愛情ココ湖国』(1月3日(日)16:25~17:25放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • 事前に取材先にアポを取った「決まっててゴメン」という撮影の仕方が、番組のテンポを上げ、効率的な仕上がりになっていた。コロナ禍の前は、ウドちゃん次第の行き当たりばったりの旅で、観ている方も先が読めない。そこにはいつも何とも言えない間が入るものだが、今回はあらかじめのアポ取りで、そうした間の入り込む隙はまったくなかった。
     単に観光地紹介という番組であれば、こうした効率的な番組作りが定石となろうが、ここで、旅ゴメがいかに通常の旅番組とは性質を異にしているかに気付かされた。
  • 番組が長く続いてきたのは、ウドちゃんの人柄に負うところが大きいに違いない。何ともいわく言い難い素朴さと温かさを持っており、加えて誠実さとか謙虚さなど、人から好まれる資質も備えている。それを見抜き、この人をメインにすえて「旅してゴメン」を始めたメ~テレの目利きぶりに感心する。訪問先で出会った人たち、市井の中の隠れた存在を掘り起こすことは、メディアならではの役割であり、貴重なことと考えている。
  • 名所旧跡ではなく、今、こだわりの仕事をしている人たちに焦点を当てたところが興味深い。近年、アナログレコードが若者に人気だという。デジタルデータは経年劣化しないが、アナログレコードはむしろそれが魅力というのが理由のようだ。滋賀のジーンズショップへの関心はこうした現象と似ていて、「もの」と共に時間の推移を共有する点で、全く同じ感覚に基づいている。
  • 地方にある、目立たないが多くの人々に支持されているキラリと光るものを採り上げ、その魅力を発信している。外出を控え家に閉じこもりがちな今の情況だからこそ、大変有意義なことだとあらためて気づかされた。押し付けがましさ、嫌らしさが無く、視聴者に心の安定をもたらし続ける番組力が、この長寿番組の秘訣だと思う。
  • 特別編では、旅の途中でたまたま出会ったり、隣り合わせた一般の人が出てこなかった。ウドさんの次に重要な出演者は「たまたま出会う人たち」だ。行き会ったりばったりでたまたま出会うというスタイルでないと、やはりちょっと寂しいし残念でもある。「行き当たりばったり」のスタイルを、コロナが終わったらぜひ復活させてほしい。
  • タレントが銭湯につかる場面やダイエット中にラーメンとパスタを食べた場面は、アドリブならではの際どいシーンだったと思う。タレントの側に、どこまでできてどこからが出来ないことなのか、交渉権を認めて権利を保障したうえで番組を作っていただければと思う。どこまでが娯楽番組に許されるのか線引きが難しいところではあろうが、軽く扱ってはいけないと思う。
  • ウドちゃんの自然で飾らない人柄から出るゆるい感じが持ち味で、そのキャラクターがロケ先の一般の方々から素の魅力を引き出している。一方で、コロナのもとで安全に撮影する難しさを感じた。アポありにしたことで取材先の方が待ち構えていたりして、普通の情報番組に近くなってしまった。また、テレビ撮影に人が集まるのを避けるためと思うが、商店街などに他のお客さんがいないなど、不自然で少し寂しさも感じる映像もあった。
  • 番組の最後にウドちゃんが旅の思い出を一枚の絵にまとめるという定番のシーンがあったが、どうしてやめたのか。人情が伝わる味わいのある絵なので、彼のスケッチを見ることを楽しみにしていた。
  • コロナ禍での取材はいつもと勝手が異なり大変だと思われるが、その中で気づいたことはあるか。

局側は

  • 事前に取材先にアポ取りをする「決まってゴメン」というスタイルでは、今までのような「行き当たりばったり」による「偶然の人との出会い」は生まれにくい。コロナが落ち着いた段階で、是非復活したい。
  • この番組の最も重要なコンセプトは、「名所旧跡」ではなく「人」に焦点を当てることだ。ウド鈴木さんの感性を通して映し出される町の方の思いや、ウド鈴木さんだから引き出せる町の方の表情を見ていただきたい。また、西川さんの食事シーンに関するご指摘は、今後の番組制作の参考にしたい。
  • 旅の想い出を色紙に描くシーンについては、今回の特別編だけでなくレギュラー番組でも一時中断している。色紙復活の要望も数多くいただいているので、コロナ禍が落ち着き、自由な旅が再開できた時には、改めて「旅の色紙」を楽しんでいただきたい。
  • コロナ禍のもとで収録を行うようになって、あらためて、旅をする町の方々の協力があっての番組だと実感した。コロナでふれあいが難しくなってしまったからといって、施設や名物だけを紹介する旅番組にしてしまっては、番組の主柱がなくなってしまう。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2021年3月9日(火)16時~