名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2020年11月分>

第618回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2020年11月17日(火) 16:00~17:20
参加者(敬称略)
  • 委員長:安村仁志
  • 副委員長:五藤義徳
  • 委員:神田真秋、久冨木原玲、小林弘明、佐野智恵子、長山智香子、村田陽子

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • メ~テレドキュメント『全力!青春ダンス』(9月27日(日)深夜 1:30~2:30放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • カメラが目の前にあるにもかかわらず、高校生のふだんの自然な姿が描写されていた。長期に取材するなかで、取材対象との関係性をうまく築いていて、お互いに信頼感を持っていることを感じられた。
    ニューヨークに行くという夢を断念せざるを得なくなったとき、高校生たちは落ち込みつつも前向きにとらえるシーンがあった。しかし、実際には落ち込んで、心の葛藤もあったという。そういう姿も描かれると良かった。
  • 生徒が自立して練習の内容を決めるなど、ダンス部の活動に集中するなかで、ニューヨークへのチャレンジと断念、節目の自主イベントをきっかけにして、その後ドライに受験勉強に切り替えていた。高校生が一気に成長する姿が感じられた。パワーや元気をもらうことができた。
  • 「コロナがあったからこそ、在宅ダンスも生まれた。コロナが自分たちにとって、全部悪かったわけではない」というキャプテンの一言が印象的だった。コロナで失ったものと同時に、得られたものがあったことを感じさせた。挑戦し大きな壁を乗り越える。そういう力が感じられた。
  • もともとは、ニューヨークで踊る夢を実現するまでを描くストーリーだったと思うが、コロナで筋書きが変わった。制作者側は、どう取材してどう描くか、最初は筋書きをもって取材を始めたが、企画意図の変遷があったはずだ。変化に対してメ~テレがどう対応して取材にのぞんだのか。そういう点も番組に盛り込むと面白かったのではないか。
  • ダンス部の顧問の先生が、このドキュメンタリーの真の主役だったと思う。ともすれば根性論も持ち出される部活のなかで、先生は一見頼りなさそうな素振りさえうかがわれたが、しかし本当は顧問として生徒や部活動のことがしっかり理解できていたからこそ、適切な対応ができたのではないか。新しい指導者像を感じさせた。
  • ニューヨーク挑戦、コロナで断念、在宅ダンス、自主イベントという、目を離せないストーリー展開のなかで、ドライに対応する高校生という一面も描かれていた。カメラワークは、寄り引きやサイズの変化があまりなく、取材対象とやや距離感を感じさせた。もう少し、高校生の内面や感情を深く追うというシーンがあってもよいのではないかと思った。
  • 海外挑戦、ビデオカメラやSNSを使いこなしクラウドファンディングに取り組む姿は、優等生的に描かれている。しかし、夢の断念やコロナで学校にいけない生徒のなかには、心の揺らぎ、悩みもあっただろう。また、ダンス部を辞めた生徒、同じ学校の別の部活からみて、ダンス部はどう映ったのか。取材対象との距離をどうとるかについて、考えさせられた。
    最後に、代表が言葉に詰まるシーンがあったが、言葉にならないことによる表現の力強さを感じた。
  • 飾り気なく、派手な衣装でもなく、素朴さを持ちながら、チームワークで自主的にダンスに取り組む姿に絞ったのが良かった。チャレンジと試練、試行錯誤の中で、それに立ち向かう高校生の若々しさやパワーを感じさせた。若者のテレビ離れが言われるが、生徒と同世代の若者にもぜひ見てもらいたい番組だ。

局側は

  • 当初、高校生が夢を実現するまでを描く企画だったが、コロナで取材自体ができなくなり、制作者もたいへん葛藤と苦悩があった。コロナをきっかけとして、これまでの撮影や取材方法が完全に止まってしまった。生徒がどのような生活をして何を考えているのか。部活がどうなっているのか、取材をするのは大変難しかった。
  • 生徒との距離はつねに意識して取材をしていたが、生徒に直接会うことができなくなったため、LINEなどでインタビューした。先生や生徒が撮影した映像も、許可を得て番組で使用した。映像の寄り引きなどのサイズ、カメラワークにあまり変化がないのは、そのためだ。生徒に近い立場で撮影した映像を使ったことで、気持ちの内側が描き切れなかった面があったかもしれない。
  • コロナの状況下で撮影が許可されたあとも、生徒に近づいて撮影することはできなかった。つぶさに生徒の表情の変化をとらえることができなかったところは、今回の番組では及ばなかったところだ。
  • コロナのもとで、どのように取材し撮影するか。今回の番組を制作するなかで、知見を得ることができた。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2020年12月8日(火)16時~