名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2020年10月分>

第617回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2020年10月13日(火) 16:00~17:40
参加者(敬称略)
  • 委員長:安村仁志
  • 副委員長:五藤義徳
  • 委員:神田真秋、小林弘明、佐野智恵子、長山智香子、村田陽子
参加者(リポート)
(敬称略)
  • 委員:久冨木原玲

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • 2020年度上期番組種別報告
  • 2020年度上期視聴率報告
  • 10月改編報告

(2)審議テーマ

  • 『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』(8月30日(日) 15:20~16:25放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • 全体的に情報はわかりやく取り扱われていた。過去の映像、スタジオの模型、CGの説明など、VTRとスタジオとの間で動きが生まれ、番組は立体的に構成されていた。
    増加する自然災害に対して、個人がどう備えるかという視点で番組が作られていた。長い目で、国や社会、世界が、増加する自然災害にどう取り組むべきか、という視点やコメントがなかったのは残念だ。
  • 視聴者が気になること、実はよく知らないのではないかということを想定して、避難所の運営や車での避難を取り上げていた。災害避難の実例と課題を取り上げる構成は、視聴者に寄り添っていて、たいへん好感が持てた。
    命を守る術を伝えるということ、他人事ではなくて、自分の身近におきうることとして災害を捉えるということ。その二つの目線がしっかり通っていて、わかりやすかった。
  • 継続して制作されている特別番組で、時代の変化、災害の頻発、巨大災害のリスク、予測技術の向上に応じて、テーマを変えて番組作りをしている。番組の放送価値、使命を踏まえている。
    災害は、気候が良いときに起きるとは限らない。避難するときに暑さ寒さにどう対応するべきか、言及があると良かった。
  • 頻発する災害から命を守るために、必要な情報をわかりやすく解説するという番組は、メディアの役割そのもので、意義ある企画だ。地元ローカル局としての使命感を感じる。
    災害全般を取り扱っているが、地震、津波、豪雨、洪水とテーマが多岐にわたっている。やや散漫になっているという印象を受けた。池上彰さんが先生、ゲストが生徒役という役割分担、組み立て方はマンネリ化している。今後、新しい構成を期待したい。
    東海豪雨の記憶は、この20年間にかなり風化している。伊勢湾台風当時の映像など、放送局には貴重な映像があるのだから、それをアーカイブ化して、積極的に活かしていっていただきたい。
  • 災害報道は、同時性、同報性という点で、インターネットではなくテレビの特徴を活かした情報伝達だ。今回の特番もテレビならではの企画だ。災害の記憶は時代とともに薄れる。これからも災害防止のために、こうした番組を継続してほしい。
  • 東海豪雨20年という節目に、当時の災害が大きく取り上げられたことは、この地方の人々に大規模災害を忘れないよう、リアリティーをもって訴えかけるものがあった。
    ただ、洪水、地震、避難というテーマが続いたが、それぞれのテーマや情報のつながりに欠ける面があった。深く掘り下げるという面があると良かった。
  • 災害予防に加えて、コロナを関連づけたのが、何と言ってもよかった。災害は人の心に悪い影響を与えるが、コロナも同じだ。どちらも個人では対応できない。地域社会のつながりが大切だということも感じられた。
    テレビ役割の一つは、こういう忘れてはならないものを、常時継続的に伝えることだ。放送することによって、社会をちょっとでも具体的に動かしていくということにつながる。
  • 池上彰さんの語り口には、視聴者を引き付ける魅力と安定感があり、信頼感がある。キャスターの重要性を再認識した。
    東海豪雨や伊勢湾台風、可能性が高いとされる南海トラフ巨大地震のことを、私たちは、日常的にはほとんど意識せずに生活している。「東海豪雨から20年」というサブタイトル当時の被害を想起させ、視聴者に現実感と緊張感をもってもらう良い機会になったと思う。

局側は

  • 豪雨、洪水、地震、さらにコロナなどテーマが幅広く、やや散漫になったという反省点はある。しかし、南海トラフ地震はこの地方で最も気にしなければいけない災害なので、これは取り上げなければならないというのが制作者としての思いである。
  • 避難所で弱者が犠牲になりがちであること、車中泊で危険なこと、ハザードマップをもっときめ細かく取り上げることなどは、もう一歩踏み込んで説明し掘り下げる必要があった。
  • 南海トラフ地震の臨時情報は、まだ広く浸透していないが、番組で取り上げることがきっかけとなって、視聴者がさらに詳しく調べてもらいたかった。リテラシーを上げるということも、この番組の役割である。
  • 限られた番組の長さのなかで、災害についてどこまで取り上げるかはたいへん難しい課題だが、こうした番組は今後も継続していきたい。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2020年11月17日(火)16時~