名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2018年3月分>

第592回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
平成30年3月13日(火) 15:30~17:00
参加者
(敬称略)
  • 委員長:安村仁志
  • 副委員長:小川明子
  • 委員:山口眞里、丹羽慎治、田中彩子、中 裕史、裵 貞嬉
参加者(リポート)
(敬称略)
  • 委員:大竹敏之

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • 開局55周年記念番組『飛翔の刻(とき) ~MRJの10年~』
  • その他

委員の主な意見です。

  • 10年に及び取材したものをギュっと凝縮し、一本の番組にするのは大変な作業だったと思う。過去の経緯やその後の取り組みと経過、また現在の状況をうまく取り込み、1時間の番組によくまとめられている。
  • 国産飛行機の歴史的背景や完成機を作りたいという人々の思い、また製造事業への国と企業の意志や世界のリージョナルジェットの市場と動向、そしてMRJのこの10年の紆余曲折のストーリー、こうしたものが実にコンパクトに表現されていた。
  • 言わば失敗の連続の記録であるこのドキュメンタリーにとって、番組の主人公ともいうべき営業担当者の存在が大きな救いになっている。どんな時でも笑顔を絶やさない彼のへこたれない人柄によって、本来なら重々しくなってゆくばかりの挫折の記録が、番組全体のトーンを前向きに転じさせる推進力になっている。
  • MRJのコックピット内でのパイロットの会話や、パリの航空ショーでのスウェーデンのリース会社との折衝場面、あるいはクライアントを集めたパーティーの場面など、よくそんなところまでカメラが入れたなと感心する。取材・撮影の大変さは容易に察しがつく。
  • メ~テレ開局55周年のタイミングでの放送だが、見ていてスッキリしない部分がある。MRJが前途多難な状況のなか、あえてこの時期に放送したので、番組として何となくモヤモヤ感の残る終わり方になってしまった部分があるのではないか。
  • 取材に困難が伴う事情は分かるが、「なぜ、納期が遅れたのか」「現在どういうところが障害になっているのか」など、現場での取り組みが見られなかったのは、正直物足りなかった。
  • タイトルが気になった。MRJが今なかなか前に進まないという状況のなかで、『飛翔の刻』というのが果たして良いのか。タイトルにもう少し工夫があっても良かったのではないか。
  • 吉川晃司さんのナレーションは、いかんせん暗すぎる、重すぎると思った。彼の声は好きだし、彼自身を否定するものではないが、ナレーションの暗さと重さが、『飛翔の刻』というタイトルとのアンバランスをより増幅させてしまっているのではないか。
  • 航空業界の専門用語が出てくるが、パッと聞いてもよく分からない。そういうものは、字幕で解説を加えるなどしても良かったのではないか。
  • 番組のラストでもMRJの行く末はいまだ五里霧中のままで、何ともすっきりしないままだ。しかし、この現状を美化したり軽々しく希望を口にすることなく表現することで、逆に航空機開発がいかに大変なチャレンジであるかがリアリティーをもって迫ってくる。同時に開発に関わる人たちの本当の笑顔をいつか見てみたい、という気持ちにさせられる。

局側は

  • この番組は、“地元応援団”をスローガンに掲げるメ~テレが、この地方の地元企業を応援しようと、開局55周年を記念する報道のドキュメンタリーとして制作したもの。
  • メ~テレ開局の年(1962年)にプロペラ機のYS-11が初飛行した。当初はこのYS-11とMRJを比べることで、この先航空産業がどのように成長してゆくのかという、未来を展望する番組を作ろうと着手した。
  • ところがその後開発が遅れ、納入は2020年に延期された。そうしたなか、どう描けば良いのか悩んできたが、MRJの営業の現場に粘り強く密着し、信頼関係を築くことで取材を続けてきた。
  • 途中から「なぜ、こんなに遅れているのか?」の原因を探ろうと、番組の方向を少し変えたが、完全には手が届かなかった。
  • 取材を取り巻く様々な厳しい状況のなかで、何回も何回も編集を重ねて形にしたが、今回の番組が「やや焦点が定まらなかった」というのは、自戒として持っている。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2018年4月10日(火)午後3時30分~