名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時35分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2012年9月分>

第537回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
平成24年9月12日(水) 15:30~17:15
委員
  • 副委員長:関口敦仁
  • 委員:大野智彦・柘植康英・池田桂子・諏訪哲史・岡本直之・佐藤久美

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶(荒木社長)
  • 10月改編について(狩野編成制作局長)

(2)審議テーマ

  • 8月28日(火) 午後7:00~7:54放送
    『池上彰と考える!巨大自然災害から身を守れ~東日本大震災から南海トラフ巨大地震へ~』
    ※関連参考番組 7月16日(月・祝) 午後2:55~4:55放送 ドデスカ!UP!増刊号 『超巨大自然災害から命を守れ』
  • 「震災・原発報道全般について」(10月25日全国番審テーマ)
  • その他
会議の風景
(1)「池上彰と考える!超巨大自然災害から身を守れ」

委員の主な意見です。

  • 巨大地震と津波のメカニズムを分かりやすく伝えると共に、大きな自然災害に対する実践的な対策をうまくまとめていた。
  • いかに被害者を少なく出来るかということを、具体的で緻密に、かつ分かりやすく伝え、非常に勉強になった。
  • 震災・津波について、基礎的なことを事実に基づいて客観的、科学的に取り上げており、解説も丁寧で説得力があり、地に足の着いた番組になっていた。
  • 池上彰さんは、いつものように安定感、信頼感があった。
  • 南海トラフ地震の津波被害の公式発表直前の放送で、視聴者の関心を強く促すという意味でタイミングが良かった。
  • この地方に、いつ大地震がやってきてもおかしくないということを、個人が血肉に叩き込んできた歴史があることをわからせてくれた。
  • 尾鷲の小学校の「てんでんこ」の実践教育を紹介したのは、住民の自主的避難が身近な対策であることを印象づけ、優れていた。
  • 自分自身がいかに身を守れるかを考えながら見たが、液状化の問題など、視聴者が、自分の住んでいるところがどんな所かというメッセージがあるともっと良かった。
  • 特定の地域だけでなく、東海地域全域に対してそれぞれのケースをできるだけ長く見せてもらえると良かったのではないか。
  • 津波や揺れに対する防災の問題と原子力の安全やエネルギーの問題が一緒に論じられるとよくわからなくなる。分けてとらえるのが良いのではないか。
  • 再生エネルギーの地産地消で、失われた原発・火力発電の電気量を賄えるのかどうか、量的な問題、コストの問題も含め言及されていない。
  • そろそろ原発の問題にもっと踏み込んだ番組にシフトしてもよいのではないか。複数の目線でいろいろな情報を知らせて欲しい。
  • 今後とも一定期間コンスタントに、いろいろなターゲットに向けてこの種の番組を届けて欲しい。

局側は

  • 番組の目的は、ただ一点、災害時の犠牲者と被害をできるだけ減らすこと。地震や津波について一からちゃんと学んでもらい、今この地方が抱えている課題や問題点をきちんととらえてもらう内容とした。
  • 子どもからお年寄りまで幅広い年代層に見てもらえるゴールデンタイムの放送ということもあり、視聴者に広く支持されているジャーナリストの池上彰さんに司会をお願いした。
  • 評価いただいたもの見せや実験などのスタジオワークは、徹底的に議論した。池上さんにいろいろと教えられ大変勉強になった。今後に活かしていきたい。
  • 東日本大震災は、大きなインフラにも影響を及ぼした21世紀の自然災害の姿。原発問題も震災の被害の一つで、災害報道を考えていく上で避けられない問題と考えている。

などと答えました。

(2)震災・原発報道全般について
  • この1年半の報道は、想像を絶するような被害とそれにじっと耐え、一所懸命明日の生活を目指す被害者の感動的な取り組み、生き様をずっと取り上げてきたが、これによって国内外に歴史的な支援の輪を広げたという役割や、災害の中での日本人の秩序ある行動やじっと我慢する姿を、世界のさまざまな国に注目させるという役割も果たした。また防災・減災への意識を国民1人1人に自らの問題として考えるように啓発した。欠けていたことは、原発ゼロという言葉が独り歩きしている中、日本の経済、国の財政、廃炉に向けての技術の確保、我々の生活の今後が大きく変化することの検証と、再生可能エネルギーをどこまで増やしていけるのかということの科学的な検証である。
  • 原発の安全性確保についての議論が最近全く無い。原発議論の本質的な課題だと思うが、安全性向上のための議論、そのための対策、基準についてもしっかり取り上げていく、これがことの基本ではないか。
  • 報道ステーション」は原発に対してスタンスがはっきりしているが、もう少し客観的、科学的、中立的にお願いできないだろうか。
  • 瓦礫の処理とか復興に向けての取り組み、移転先が決まらないとか、震災復興が実は遅々として進んでいない。震災復興が加速度的に進むように、報道が背中を押してあげる必要があるのではないかと思う。
  • 震災から1年半経って被災地の方々が客観的に語り始めている。そういう客観的な現場の声、社会にもう一度根づき直す中での工夫をもっと拾い出して、次につながるような情報として流して欲しい。
  • 津波被害者を減らすためには、強いアピールを定期的にやる必要があるが、常に来るぞ、来るぞという病的な意識、小さなトラウマを植え付けるという可能性もあるということを胸に置きながらやっていったほうがいい。そのことと、死者を減らすために大きな声でアピールすることとのバランスを取って報道する、風化させない程度の、病的にさせない程度のバランス感覚が必要ではないのか。
  • 外国人やお年寄りなど震災弱者、情報弱者に対して我々は何が出来るのかという観点の報道もあっていいと思う。情報が届かず二次被害にあった障害者の方もある。情報伝達の問題ももう一度チェックしてもらいたい。

(3)次回開催予定

次回の放送番組審議会は平成24年10月10日(水) 午後3時30分~
審議テーマ…9月30日(日) 午後2時00分~3時25分 全国ネット放送 メ~テレ50周年特別番組『子どもが憧れの有名人に本気インタビュー』