名古屋めしが宇宙食に 和食チェーンのサガミが開発「名古屋コーチン味噌煮」 決め手は噛み応え

2021年3月18日 15:37
 名古屋めしが、宇宙で食べられるかもしれません。名古屋の和食チェーン「サガミ」などが共同開発した「名古屋コーチン味噌煮」を、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が「宇宙食」として認証しました。
 先月、人類の宇宙探査の歴史に、新たな1ページが刻まれました。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機が、火星に着陸しました。

 また、アメリカの民間宇宙会社、スペースXが、日本人宇宙飛行士、野口聡一さんらを国際宇宙ステーションへ打ち上げることに成功するなど、宇宙への関心が高まっています。

 その野口さんですが、国際宇宙ステーションで、コンビニエンスストア・ローソンの人気商品「からあげクン」を味わったことも、話題になりました。

「宇宙食は食感がけっこう大事。からあげそのもののサクサク感が、すごくいい感じで保たれている。おいしいです」(宇宙ステーションで「からあげクン」の宇宙食を食べた野口聡一さんの感想)

 もちろん宇宙へは、どんな食べ物でも持ち込めるわけではありません。JAXAに「宇宙日本食」と認証される必要があります。

 その条件としては「日本の家庭で食べられている食品がベースになっている」ことや「継続して供給できる」ことなどが必要です。  

 

宇宙日本食に認証された「名古屋コーチン味噌煮」

「宇宙に名古屋めしを」 挑んだのは和食チェーンのサガミ
 そんな宇宙日本食に、ある「名古屋めし」が名乗りを上げました。「名古屋コーチン味噌煮」です。

 名古屋コーチンのもも肉とむね肉、ニンジン、ゴボウなどの野菜に加え、ちくわ、うずらの卵などが、愛知の八丁味噌が入った出汁でじっくりと煮込まれています。

 開発したのは、東海3県に80店舗の「和食麺処サガミ」などを展開するサガミホールディングスです。

「きっかけになったのは手羽先なんですけど。手羽先は当社で一番人気の商品です」(サガミ マネジメントサポート開発部 榑林功真 次長)
 

一番の人気商品、手羽先の宇宙食化は断念

一番人気の手羽先の宇宙食化は「骨の食感」で断念
 サガミといえば、看板メニューに「手羽先のから揚げ」があります。3年前に開かれた「手羽先サミット」で、殿堂入りを果たしたほどの名物です。

「宇宙空間ではカルシウムが足りなくなるということがあるので、骨まで食べられる手羽先はどうかと思ったのですが、JAXAに行って話を聞くと、どうしても骨の食感がダメだという話になり諦めました」(榑林功真 次長)

 手羽先を圧力調理で骨まで食べられるようにしたものの、ザラザラとした舌ざわりがネックになりました。
 

サガミ マネジメントサポート開発部 榑林功真 次長

ポイントは「噛み応え」 鶏肉は弾力のある名古屋コーチンに
 そこで注目したご当地グルメが、愛知・岡崎名産の八丁味噌を使った「味噌煮」でした。

「食べるときに『噛める』ということが(宇宙飛行士の)ストレスをすごく軽減させると。特に名古屋コーチンは肉質が強いので、一般的な鶏肉を使うよりも食べ応えがあったと感じています」(榑林功真 次長)

 宇宙食でも、あえて噛み応えを残すために、肉は弾力のある名古屋コーチンに、目をつけました。
 

JAXAの認証と「名古屋コーチン味噌煮」

 開発にあたっては、常温でもおいしく食べられるように、塩分や栄養バランスなどを工夫しました。

 具材の形はそのままに、無重力状態でも飛び散らないように、出汁をゼリー状にしたのが宇宙食ならではです。

 こうした努力を重ねて開発から4年。ついに念願がかない、JAXAから、宇宙日本食として正式に認証されました。

 

東海3県に80店舗を展開する「和食麺処サガミ」

名古屋生まれの宇宙食の味 アナウンサーが試食
 そんな名古屋生まれの宇宙食を、地球上で試食しました。

「歯ごたえしっかりしています。野菜から出た美味しさと八丁味噌の優しい香りがしみ込んでいるのがわかります。宇宙空間でも、地球上でもご飯に合いますね」(倉橋友和アナウンサー)

 「名古屋コーチン味噌煮」は、この春にも、日本人宇宙飛行士、星出彰彦さんが国際宇宙ステーションで食べることが期待されています。

 サガミでは、開発を進める中で、気づいたこともありました。

「この宇宙食は温めなくても美味しい。そのまま食べられる。災害時にガスや電気が使えないときにも食べられることは大きいかなと思っています」(榑林功真 次長)

 賞味期限は2年と長く、軽くて持ち運びしやすいため、災害用の非常食として商品化する計画もあります。まさに“宇宙品質”。

 サガミの店舗で、4月にも販売予定の「名古屋コーチン味噌煮」。お手軽に宇宙気分を味わうことができそうですね。
 

JAXAに認定された宇宙日本食の例(JAXAのHPより)

「宇宙日本食」おやつや焼きそばも 味わいや食感も豊富
 これまでにJAXAは「宇宙日本食」として、25の企業や団体の、46品目を認証しています。いくつかの品目を紹介します。最近の宇宙食には味わいや食感も求められています。

・江崎グリコ「SPACEビスコ」 
・亀田製菓「亀田の柿の種」
・ロッテ「キシリトールガム(ライムミント)
・日清食品食品ホールディングス「日清焼きそばU.F.O」  麺が湯を吸いきるタイプなので湯切りが不要

(3月18日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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