- 160回 -

2015年10月21日(水) 深夜1:59~2:59

ダイとダン~日本女子バスケの新星~

昨年11月末、日本バスケットボール界に激震が走った。国際バスケットボール連盟が日本バスケットボール協会に“国際試合停止”の制裁を下したのだ。男子にはふたつのトップリーグがあり、日本バスケットボール協会の「組織統治力の欠如」を指摘し、「強く、そして盛り上がりに欠ける日本のバスケの強化」を求めた。
これにより日本代表は、海外での試合が一切できなくなり2016年リオ五輪はもちろん、2020年東京五輪への出場さえ危ぶまれることになった。

馬瓜エブリン(20)。ガーナ人の両親のもと愛知県で生まれ、愛知県で育った。しかし、見た目は日本人ではない。そんな彼女は小学生の時、バスケの魅力にとりつかれた。幼いころからの夢が「日の丸を背負ってプレーすること」。日本代表になるため、14歳の時に帰化。バスケの名門桜花学園高校を卒業し、愛知県内の実業団チームに入団した。昨年9月に韓国で開催されたアジア競技大会に、初めてフル代表「ハヤブサ女子」として出場し、銅メダル獲得に貢献した。

日本での制裁の渦中、バスケの本場アメリカで将来の日本のバスケ界を背負う準備を進めている選手がいる。エブリンが幼い頃から慕い、切磋琢磨しながら一緒に“世界の舞台”を目指してきたヒル理奈(22)だ。U-16ではキャプテンも務めた。桜花学園高校を卒業し、現在はアメリカ大学リーグの上位チーム、ルイジアナ州立大学でプレーしている。ヒルの目標は2020年東京五輪に日本代表として出場することだ。彼女はアメリカのバスケを知ることが、日本のバスケのレベル向上に繋がると信じている。ヒルは、日本で挫折しかかったが、アメリカでバスケの魅力に気づいた。

5月中旬、今年度の日本代表候補メンバーに最年少で選ばれたエブリン。召集されたメンバーは19人、リオ五輪の予選である「アジア選手権」に行くのは12人。

8月9日、日本バスケットボール協会は川淵三郎チェアマンの大改革の成果もあり、制裁を解かれた。これにより、オリンピックへの道は開けた。
エブリンはトップ選手とともに「海外遠征」や「海外のチームとの試合」を重ねていく。はたして、エブリンは夢の第一歩を踏み出せたのか。

番組では、制裁解除までの道のり、そしてメ~テレが長期に渡って取材を続けている馬瓜エブリンと、エブリンの憧れの先輩のヒル理奈2人の選手たちの成長を追う。そして、見るスポーツとして「バスケットボール」の現状、課題、魅力を探る。