2017年5月30日(火) あさ 9:55~10:51
 
轍~被災者とボランティアの6年~
 

名古屋から東日本大震災の被災地にボランティアを派遣し続けている団体がある。NPO法人の「名古屋ボランティアセンター」だ。代表の久田光政さんは高校の教師。阪神淡路大震災の時に高校生たちと神戸に入り震災遺児孤児を支援する募金活動に取り組んだ。
愛知ボランティアセンターの立ち上げを呼びかけたのは、かつて募金活動に参加した元高校生たちだ。当初、活動の内容は支援物資の仕分けや運搬だったが、その後は津波で流された家の撤去、被災者の心のケア、孤独死の防止と、ボランティアに求められる役割は変化していった。愛知ボランティアセンターは毎週のようにバスツアーを組み、変化する被災地のニーズに合わせた活動を行ってきた。
長期的に応援を続けてきた場所が宮城県石巻市の十八成浜地区だ。名古屋から陸路で約800km、片道12時間を要するこの場所に約150回に渡ってボランティアを派遣。現在はアーモンドの木1800本を植え、十八成浜を人と花で溢れる場所にしようという計画を住民とともに進めている。
しかし震災から5年が過ぎたころ、活動のブレーキをかける大きな問題が持ち上がった。相次ぐ観光バスの死亡事故を受け、国が安全管理を強化する策の一環として大型バスのチャーター料を大幅に引き上げた。また「旅行業者の免許を持たないボランティアツアーは旅行業法違反」とする通達を全国の自治体に出した。ボランティアツアーは料金を上げざるを得なくなり、もともと減少傾向にあった参加者は大きく落ち込んだ。国土交通大臣はボランティアツアーへの法律の適用について改善すべき点がないか検討するよう指示を出したが、1年が過ぎても方針は示されていない。十八成浜に植えられたアーモンドの管理は住民に任せざるを得なくなっている。
震災から6年が過ぎ、被災地では堤防や復興住宅などインフラの建設が進む。反面、被災した人々の生活の再建については先が見えないままだ。自助努力を求められる、被災者とボランティアたちの現状を伝える。