2009年9月21日(月・祝) あさ9時57分~10時30分放送
 
なばなの里 最後の花づくり
~団塊サラリーマンが挑んだ巨大ダリア~
 
 
今年4月。定年まで1ヵ月余。後進の指導に余念のない中澤さん。
 
日本最大級のお花畑を展開し、四季折々の花々を楽しませてくれる「なばなの里」(三重県桑名市長島町)。 中でも1万3000坪にもおよぶ広大な「花ひろば」に咲く、春のチューリップや秋のダリアは有名で、毎年その咲き誇る姿を愛でに来る観光客も多いです。

この見事な花園の裏側に実は想像を絶する努力が隠されていました。 10日くらいしか花がもたないチューリップを1ヵ月も咲かせ続ける技! また、高原に咲くダリアを、高温多湿な東海地方で1万2000球も咲かせる努力!! これらの作業を開園当初からおよそ10年にわたって創意工夫を続けてきたのが花き園芸課の中澤教治さん(60歳 今年5月に定年。現在嘱託で花き園芸課に在籍)です。

もともと中澤さんは「なばなの里」を経営する会社「長島観光開発」の系列ホテルで働くなど、園芸の知識がほとんど無い状態で「なばなの里」の開園と同時に赴任しました。 立ち上げたばかりの花き園芸課は中澤さんを課長に、たった5人で小さな机を囲んでスタートしたと言います。 花を育てるには不向きな土壌と向き合い、専門家にも「ここの暑さでは無理」と断言された気候でダリアを栽培します。

「個人の楽しみで花を育てるのとは違う」つまり、来園者に見せるために、何がなんでも花を咲かさねばならないという信念。 その気持ちが折れることなく今日まで続いたのは、やはり団塊の世代である中澤さんの仕事への打ち込み方でした。

管理職でありながら常に現場で試行錯誤してきた中澤さんも、気づくと定年が迫っていました。 今度は自らが築き上げたノウハウを伝授していかなければなりません。 観光施設にとっても、豊富なノウハウを蓄えた団塊世代の定年退職は切実な問題になっているのが現状です。

番組は、去年夏に始まったダリアの栽培から中澤さん現役最後の仕事となった今年春のチューリップの栽培までを密着、団塊世代の仕事にかける生き様を描きます。
 
 
今年4月。
開園前のチューリップに水をやる。
去年10月。
ダリアの手入れをする中澤さん。
 
スタッフのつぶやき