2007年3月28日(水) 深夜2時28分~3時23分放送
 
切り捨てられた被爆
~ 原爆症認定訴訟の行方 ~
 
 
甲斐昭さん
 

 2007年1月31日、名古屋地方裁判所は、原爆症認定訴訟の原告4人のうち、2人だけの訴えを認めた。勝訴した甲斐昭さん(80)は、原爆投下直後に海軍の命令に従って広島市内に入り救援活動を行い被爆した。甲斐さんは広島を出た後、下痢などの急性症状に襲われ、その後も甲状腺悪性リンパ腫や原因不明の発作・倦怠感等により入院・手術の繰り返しだった。
 国は甲斐さんのような「入市被爆者」を原爆症と認定してこなかった。しかし今回の判決で「内部被爆」の人体への影響が認められた。その一方、遠距離被爆者の中村昭子さん(80)ら2人については請求棄却が言い渡された。
 原爆症認定集団訴訟は全国の「被爆者」が「世界で唯一の被爆国・日本」を訴えた裁判だ。
 番組では、原爆症認定訴訟の原告第1号である甲斐昭さんの生き様をと闘いを中心に、原爆被害のむごさ、訴訟によって初めて明るみに出た核の本当の姿を、科学的な検証を含めて描く。また、高齢な被爆者らが命がけで訴訟を続ける理由、「核廃絶への祈り」を描く。
 
 
判決の瞬間
 
スタッフのつぶやき