2006年5月31日 25時43分~26時38分放送
 
ふるさとの記憶
カメラばあちゃんの伝えたかったこと
 
 
増山たづ子さん(享年88歳)
 

  2006年3月7日増山たづ子さんが突然、この世から去った。増山さんはひたすら、ふるさと徳山を記録し続けた。それは写真だけではなかった。ふるさとの「音」も記録していた。ダムの是非を巡って村人たちが語り合う声やカジカカエルの鳴き声、そして村人の歌声や笑い声。カセットに残されたふるさとの「音」だ。
 増山さんは10万枚以上の「写真」を残して逝ってしまった。ダムを恨んでもダムで働く人々を暖かい目で見守ってきた。お国のために戦争で夫や弟を失い、さらにダム建設でふるさとさえ奪ったのに、最後まで『お国のために』文句を言わなかった。
 今年、徳山ダムに水が貯められようとしている。しかし今なおかつて家のあったふるさと・徳山で暮らし続ける人がいる。ふるさとへの思いが強ければ強いほど、老いれば老いるほどふるさとへの憧れが募る。増山さんは「ふるさとは心の宝」と語り、必死でふるさとを語り継いできた。しかし自分の子どもや孫たちには、そんな思いをさせたくないと考えていた増山さん。自分の子どもたちのふるさとは徳山ではなく転居先のこの場所で充分。徳山は忘れてもいい、と考えていた増山さん。これまで私たちは増山さんを通して徳山村を伝えてきた。しかし、増山さんの心の叫びを本当に伝えてきたのだろうか・・・。これまでの記録を重ねながら、今あらためて取材を行い増山たづ子さんの思いを確かめます。

 
 
 
スタッフのつぶやき