2004年5月17日 25時18分放送
 
憂貴の翼 ~心を描く少年の世界~
 
スタッフのつぶやき
 
安藤則子ディレクター

 番組の主人公は磯貝憂貴君(十二歳)です。視知覚とADD(注意欠陥の障害)など発達に障害を持っていて、岡崎盲学校に通っています。お母さんは手探りで、息子の子育てをしてきました。「何か最後までやり遂げられることを見つけよう」と模索する中で、憂貴君は絵と出会います。
 『天高く笑っているお月様』『おなかを赤い電車が走るひよこ』『洗濯バサミの魚』など、憂貴君の絵はファンタジーにあふれています。登場者は皆笑っています。羽が生えた作者自身も必ず登場します。
 優しい微笑みに満ちた絵・・・
実は、その陰に憂貴君自身の痛みや家族の葛藤があることを知ったのは、取材の半ばでした。バリアフリーなどと軽々しく言えない現実にぶつかり、取材はこれまで経験したことが無いほどに難航しました。
 しかし取材班は憂貴君を障害児として見つめてきたわけではありません。絵や写真撮影が驚くほどうまいことを除けば、彼はどこにでもいる少年の一人です。私たちは自分の子ども時代を思い出しながら、この8ヶ月向き合ってきました。
  憂貴君の絵から学ぶことが多い取材となりました。
 
 
放送内容について