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フットサル

2014年07月23日[水]

「進化を続ける35歳」

ブラジルワールドカップ。日本が4年に一度のサッカーの祭典に盛り上がりを見せる中、もう一つの戦いが繰り広げられていた。それは、AFCフットサル選手権。

アジア最強国を決めるこの戦い。日本は決勝でアジア最強チーム、イランと対戦。
日本はイラン相手に一歩も譲らず、延長戦が終了。PK戦へともつれ込む激闘となった。このPK戦で日本のキーパー・関口がスーパーセーブを連発。見事、イランを下し、日本フットサル史上初となるAFC連覇を飾った。

そんなAFCの舞台に初めて挑戦した選手が、森岡薫(35)だった。森岡は2012年8月に日本国籍を取得し、同年に行われたフットサルワールドカップに出場。チーム最多の4得点を挙げ、日本を史上初のベスト16へと導いたエースストライカーだ。

AFC初挑戦となった森岡だったが、大会直前に行われた日本代表のスペイン遠征で右ひざを痛め、万全な状態で臨むことが出来なかった。帰国後に取材すると、やはり試合中から痛みが出て、右ひざをかばいながらプレーしていたという。

初めてのアジアの舞台で、思うようなプレーが出来なかった森岡。大会を終え、彼の口から出てきた言葉は…
「すごく苦しかった―」

それも当然だ。本来エースとしての活躍を期待されていたにも関わらず、決勝の舞台では後半途中から出場機会はなかった。チームメイトが戦っている姿をベンチから見守ることしか出来なかった。失意の底にいるのだろうと、僕自身も思っていた。しかし、次に出てきた言葉は…
「僕は恵まれている。次から次へとチャレンジする理由が出てくるから」
悔しさを力に変え、次なる目標の活力にする。言葉では簡単に言えるが、並大抵の事ではない。さらに、ケガをして「恵まれている」という言葉はなかなか発することができるものじゃない、と思う。

「2年後のワールドカップに悔しさをぶつけたい」
進化を続ける35歳、森岡薫。2年後のワールドカップは37歳で迎えることになる。
この男、底が知れない。そして同時に、大きな期待を抱かずにはいられなかった。

ディレクター:M

2012年10月22日[月]

「キング・カズ フットサル日本代表に!12年ぶりの日の丸!!」

最近、カズ、こと三浦知良選手の日本代表入りが話題になっている。フットサル日本代表のミゲル・ロドリゴ監督からの熱烈オファーもあり、サッカーというフットサルとは違ったカテゴリーの選手にも関らず、日本代表入りを果たした。そんな異例の事態に、ネットや新聞では様々な議論が交わされていた。「客寄せのためじゃないの?」「本当にフットサルに適応できるのか!?」などなど…。
確かに、カズは偉大なサッカー選手で、世界的にも知名度がある日本サッカー界のレジェンド的存在だ。その人気にあやかって、なかなか集客に苦しんでいるフットサルが、盛り上がればという考え方もある。それに、現在45歳。年齢的にも色々な事を吸収するのにも、若い選手よりは時間がかかるだろう。

― 本当にカズは大丈夫なのか!? ―

自分はカズが代表候補合宿に初めて合流したときから見てきた。一個人の意見として聞いて欲しいが、正直最初に見たときは「大丈夫か!?」というぐらい、外から見ていても、フットサルの動きに戸惑いを感じているようだった。実際、本人も練習後の取材の時には、そういったコメントも残していた。

今回の名古屋合宿はカズが初めて参加した合宿から数えて3度目の合宿。最初は「選手の名前すら分からない(笑)」と冗談交じりに話していたが、今回の合宿では、選手と笑顔で話す姿もよく見かける。そして動き方を選手に積極的に聞き、さらには自分から要求する姿も、多く見られた。
一緒に練習を行い、カズと同じく、始めて日本代表に選出された森岡選手も「カズさんの動きは、最初に比べて格段に良くなっている。かなり勉強しないと、ここまで成長はしないはず。おそらくかなりフットサルを勉強したんだと思う」、と話していた。

45歳、三浦知良。サッカー界のキングとして、確かな地位を確立しても、それに驕(おご)ることなく、常に謙虚で、常に勉強熱心。だからこそ、45歳になった今もなお、選手であり続ける事ができるのだろう。ワールドカップに出場すれば、世界最年長出場記録という偉大な記録も樹立することになる。

カズが12年ぶりに青いユニフォームを着て、日の丸を胸に闘う。45歳にして、フットサル日本代表という新たな挑戦。「新たなカズ」の誕生も近い、かもしれない。

ディレクター:M

2012年07月12日[木]

「ゲン担ぎ」

先日番組でも放送したが、選手には様々なゲン担ぎがある。その中でも、名古屋オーシャンズに所属する森岡薫選手の試合前に行うゲン担ぎは変わったものだった。

それは、試合の前日に自宅のトイレを素手で掃除するというもの。きっかけは妻・寛美さんの助言。風水好きな寛美さんが、「一家の大黒柱の男性が素手でトイレを掃除すると良い」ということを聞き、森岡選手にアドバイスしたのだという。
それを始めたのが去年のシーズン前だったとか。その結果?森岡選手はFリーグ史上最多得点(34得点トップタイ記録)で見事得点王を獲得。さらにMVP、ベスト5も受賞し、Fリーグ史上初となる個人タイトル3冠に輝いた。もちろんチームも5連覇を達成。それもこれもトイレ掃除のおかげ??

森岡選手に話を聞くと、「トイレ掃除をしても負けることはあるけどね(笑)」と。ですよね、それをすれば絶対に勝てるというわけじゃない。続けて、「試合に臨むに当たって、出来ることは全てやりたい。やっておけばよかったと後悔したくない。もちろんトレーニングもそうだけど、自分のルーティンは崩さない。良い時も悪いときも同じなんです。」

試合前はやはり独特な雰囲気がある。それを紛らわす意味でも、決めたことを決まった時間に行う。それをすることによって、自分を落ち着かせる。それが試合でのプレーに直接的に影響が無くとも、続ける。
筆者から見ると、トイレ掃除とゴールを決めることは直接結びつかない。しかし、森岡選手にとっては試合前には欠かせない、大切な一種の「儀式」みたいなものなんです。
森岡選手は他にも、試合前日に爪を切り、髭を剃る。そして試合のコートに入るときは必ず右足から入るのだと言う。

皆さんにもこういったゲン担ぎありますか??僕は…う~ん、ないです(笑)

ディレクター:M

2012年04月16日[月]

「ライン」

つい先日のSPOKENにて、先輩ディレクターが制作した
ドラゴンズ・吉見一起の企画「エースを支える調整法」が放送されました。

エース・吉見選手の生命線でもあるコントロールの秘密に迫ったもの。

その内容はというと
実は吉見は、自分が投げるボールの軌道が見えているというのです。
ボールが自分の手から離れキャッチャーミットに収まるまでの1本の線が・・・
それを吉見選手は「ライン」と呼んでいます。
その「ライン」を基準にボールを投げることで
精密機械と呼ばれるコントロールを実現してきました。

「ライン」の感覚って一体どんなんだろ?と思っていたら
つい先日、フットサルをしたときのこと、僕にも見えたのです。
競技は違いますが、そのラインと呼ばれるものが。

試合中、ボールをもらい、前を向いたときです。
前線にいる選手を目で確認すると、そのパスの「ライン」がほんの一瞬。

思い描いたとおりにパスが決まり、
前線の選手はフリーでゴール前へ、ところが、
パスをもらった選手がシュートをふかし、ボールはゴールの枠の外へ・・・

それ以降、どれだけプレーしようと「ライン」はまったく見えずじまい。

「一流は一流を知る」といいますが、僕は凡人だということをしっかりと認識しました。

ディレクター:N

2012年04月03日[火]

「フットサル日本代表の救世主」

Fリーグ2011シーズンも終了し、見事名古屋オーシャンズがリーグ5連覇を達成した。
Fリーグ創設から一度も優勝を逃したことがない、まさに日本フットサル界を代表する、最強軍団。

そんな王者のエースとして君臨するのが、森岡薫選手。
今シーズンはリーグ歴代トップタイ記録となる34ゴールをマークし、得点王を獲得。その功績が認められ、自身2度目となるリーグMVPを受賞。さらにはベスト5に選出されるなど、なんと、個人タイトル3冠。これはFリーグ史上始まって以来の快挙となった。

目覚しい活躍を見せている森岡選手。そんな彼が目指しているのは「フットサル日本代表」
これだけの活躍をしているのに、なぜ日本代表じゃないの?と思われる方も多いだろう。
それは、「国籍」
森岡選手はペルー生まれの日系3世。国籍はペルーなのだ。

以前、ペルー代表からのオファーがあったが、それを断った森岡選手。その理由は「僕がフットサルを覚えたのは日本。だからペルー代表ではなく、日本代表として日の丸を背負いたい」

そんな熱い思いを胸に秘め、森岡選手は日本への帰化申請を行っている。
まだ結果は出ていないが、帰化申請が通れば、間違いなく日本代表に選出されるだろう。
フットサル日本代表のミゲル・ロドリゴ監督も、森岡選手の活躍には、大きな期待を寄せている。

2012年はフットサルのワールドカップ(タイ)が開催される。
日本代表は5月から始まるアジア予選を勝ち抜き、本戦出場を目指す。森岡選手が日本代表の救世主になる日は、そう、遠くないはずだ。

ディレクター:M