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2016年 8月の記事
2016年08月25日[木]

願い伝える愛と優しさ

 今年の8月6日、広島は酷(ひど)く暑かった。漫画「はだしのゲン」を描いた故・中沢啓治さんの妻ミサヨさんと平和記念公園を歩いた。オバマ米大統領の訪問による影響か、外国人観光客の姿がやけに目立つ。原爆ドーム前を流れる元安川の橋で、ミサヨさんは「夫は散歩でこの橋に来ると、いつも川面をじっと眺めて動かなくなるんです」と語った。
 原爆の熱線に焼かれた多くの人々が水を求めてこの川に入り、絶命した。中沢さんはその惨状を「はだしのゲン」に描き込んだ。
 一昨年発表された「広島 愛の川」は、中沢さんが河畔で紡いだ詩に曲をつけた歌だ。「語ろうよ川に向って/怒り、悲しみ、優しさを/ああ、川は広島の川は/世界の海へ流れ行く」
 被爆者の一人として戦争責任問題を訴え続けた中沢さんは、一方で歌詞の中に「愛」と「優しさ」を書き入れた。ミサヨさんによると、晩年の中沢さんは「怒りや悲しみだけでは、戦争の実態を未来に伝えていくことはできない」と話したという。
 中沢さんが歌詞に込めたのと同じ願いを乗せ、「はだしのゲン」は世界に広がりつつある。27日の「テレメンタリー2016」(朝5時20分)では、「ゲン」を中国で出版しようと奮闘する女性を追う。(村瀬史憲ディレクター)

8月6日の日暮れ、原爆ドーム周辺では市民らが「広島 愛の川」を大合唱した

8月6日の日暮れ、原爆ドーム周辺では市民らが「広島 愛の川」を大合唱した

 ※朝日新聞名古屋本社版 2016年8月24日掲載 / メ~テレ・朝日新聞社に無断で転載することを禁じます。

 

 

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