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アナウンサールーム


ニュースの時間大分出身の私佐藤、ナゴヤで暮らして19年。 ネイティブの方にはかないませんが、名古屋弁が自然と出るようにもなりました。 そんな私が「ナゴヤの今」を考えます。

ハンドルを握るものとして

2008/03/11

約1.5tの鉄の塊が時速50キロ前後で走る。わずか数センチですれ違う。
人の理性で車社会は成り立っている。

去年、交通事故で死亡した人の数は全国で5743人。
そのうちの一人が、タレント風見しんごさんの長女えみるさんだ。
去年1月17日の登校途中、当時10歳だったえみるさんは
横断歩道でトラックに轢かれ亡くなった。

風見しんごさんは著書「えみるの赤いランドセル」(青志社)の中でこう綴っている。
「それまで『行ってきます』のあとには必ず『ただいま』があるものだと思っていました。
でも、えみるは違いました。
あの日の朝、『行ってきます』という言葉を残したまま、
もう二度と『ただいま』というあの元気な声を聞かせてくれることはありません」。
交通事故は、ある日突然、愛する人を奪う。


ただ実は、交通事故死者数5000人台というのは54年ぶりのこと。
4年前の死亡者の数は7358人。1500人以上も減っている。
愛知県内で去年、交通事故により亡くなった人の数は288人。
300人を切ったのも54年ぶり。
3年連続全国ワースト1ではあるが、5年前の398人から110人も減っている。
やればできるのだ。

メ~テレ社内にも、愛知県警中署の交通安全標語

一人一人が
ちょっとずつ譲り合う。
ちょっとずつ車間距離を開ける。
ちょっとずつスピードを落とす。
ほんのちょっとのことが集まれば事故は減る。

自動車メーカーも事故防止機能の開発を急ぐ。
トヨタ自動車は、ドライバーのまぶたが閉じていて衝突の可能性が高いと車が判断すれば、
自動ブレーキがかかるシステムを世界で始めて開発した。

2月、えみるさんは12回目の誕生日を迎えた。
桜が咲く頃には中学校の校門をくぐるはずだった。
真新しい制服に袖を通すはずだった。
「笑顔が満ちる子になって欲しい」、
そんな思いで風見さん夫妻は「えみる」と名付けた。
そんな親の宝物を、子どもの笑顔を、子どもの未来を、
大人が奪ってはいけない。
ハンドルを握るものとして、
交通死亡事故ゼロのという目標をあきらめてはいけない。