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名古屋テレビ 放送番組審議会だより
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【:2003年3月分:】
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は10名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1土曜日の午前6時45分から放送する「オンブズ11」の中でもご紹介していますので、どうぞご覧ください。
2002年度放送番組審議会委員(敬称略)
~10名~
委員長 加藤幸兵衛 (陶芸家)
副委員長 伊豫田静弘 (知立市文化会館長)
委 員 赤塚行雄 (社会評論家)
高田弘子 (都市調査室代表)
ハンス ユーゲン・マルクス (南山大学長)
野嶋孝 (中部電力副社長)
呉智英 (評論家)
河合弘登 (河合塾理事長)
片木篤 (名古屋大学大学院教授)
海月ルイ (作家)
第442回 名古屋テレビ放送番組審議会
開催日 平成15年3月12日(水)
委  員  長 加藤幸兵衛
副 委 員 長 伊豫田静弘
委 員 ハンス ユーゲン・マルクス
呉智英
片木篤
海月ルイ
 
 
 
 
~以上6名~

議題
(1) 事業報告
(2) 「放送全般について」審議
(3) その他

議事の概要
 事業報告(桑島社長)
  • 民放連とNHKが共同で設けた第三者機関のBRO(放送と人権等権利に関する委員会機構)と放送番組向上協議会を7月1日付けで統合して、新たに「放送倫理・番組向上機構」を設立することが決定しました。
    これにともない、民放各局にそれぞれオンブズマン機能を持った組織を設けて、この中央の第三者機関に苦情などをすぐに丸投げにしないで、それぞれの局で処理するよう要望しています。
    当社には、既にオンブズ6が発足しておりますし、さらに法律の遵守のために今月1日から社内にコンプライアンス推進室を設けました。この放送番組審議会とオンブズ6、コンプライアンス推進室と、三位一体での番組審査や放送倫理向上などを通じて自主自律体制がこれで整ったことになります。

  • 民放連では、消費者金融CMに対する指針を決めました。これは、児童向け番組には消費者金融CMを放送しないとか、貸し付け利率及び延滞損害金、年齢制限といった貸し付け条件を3秒程度一定以上の文字の大きさで明示するなど5項目ありますが、4月からこの中でできることから実施し、抜本的な見直しは10月改編で行うとする基本スタンスを決めたわけです。

■「放送全般について」審議
3月は、年度最後の審議会ですので、この1年を振り返って自由発言の委員会としました。
この中で委員から提案のあった「何故この頃のテレビ番組は面白くないか」については、活発な議論が交わされました。
委員の主なご意見を紹介します。
  • 視聴者の意見が、視聴率と連動しているのではないかという気がしている。視聴率は、無視できないが、視聴率を気にしないで、作るべき番組は作る、やるべき報道はやるという姿勢もまた必要ではないかという気がする。
  • 昭和40年頃の作り手は、本人がそうした志向を持っていたかどうか別にして、労働組合の問題、日教組の問題、日本は国旗を掲げるべきかとか、民族の問題とか、社会にアピールするようなテーマをやりたがった。ところが、いま入社してくる若い人たちにはそういう意識が全く無い。何か面白いじゃないかというだけで企画がどんどん出てくるという傾向になっている。
    もうひとつは、放送局でものを作る人たちの意識が変わってきた。それは、社会がそうしたことを求めなくなってきたからだ。簡単な形の男と女の愛憎だけに終わってしまうことが多くなった。
  • 今後、テレビパワーが復活するかというと、結構難しい時期に来ている。デジタル化していく中で、その作品の密度とか質が本当にこれから上がるような状況になるかというと、かなり否定的なのではないかという気がする。作品の質と視聴率が連動していないことが判った。たとえば、「SUBU」はすごく質の高い手間暇かかった作品だが、視聴率が取れない。そうしたものはいっぱいある。作品がもつ質と売れる売れないということが全く関係なくなっていく。解決の糸口は見えないが、すごく大きな問題だ。
    また、テレビが時代を先取りしつつ、社会に対してアピールするような作り方ができるか。いまテレビは、先陣を切って何かを取り上げるというのではなく、ほかのメディアが取り上げたものを、テレビ的な味付けをしつつ、ビジュアル化している。
  • ワイドショーやニュースをよく見るが、朝日放送が18年前に、既に拉致問題をスクープしていた。当時はみんな本気にしなかったし、取り合わなかった。しかし、こうしたものを見ているとテレビジャーナリズムの良心というか気概を感じる。こういうものが際にやられることがないようにと思う。

 

以上のようなご意見でした。
これに対し局側から、「デジタル化になっても、やっぱり総合編成でいかざるを得ない。多メディア時代になって情報のツールは増えるが、向こう10~20年、間違いなく基幹メディアは、地上波だと思います。良い悪いは別としても、視聴率がある以上、視聴率と売り上げが完全にリンクしており、経営の根幹をなすもので、無視するわけにはいきません。」との発言がありました。

■その他
4月の放送番組審議会は、11日(金)午前10時30分からの開催予定。
「メ~テレワイド サンダー5」を審議していただきます 。