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スケート

2012年01月23日[月]

「スケーターの凄さを改めて実感した日」

フィギュアスケートを担当して3年。
スケーターの凄さを身にしみて感じる事があった。
機会があって、十何年かぶりにローラーブレードをしたのだ。

ローラーブレードといえば、
フィギュアスケートの陸上版みたいなもの。
別に運動オンチでもないし、スノボだって得意だし!
仕事柄、普段からフィギュアの映像を見まくっているので
誰よりもイメージは出来ていた・・・ハズだった。

ところが、実際にやってみると・・・
滑ることはおろか、立つことすら、危なっかしい。
自分ではキレイに滑っているはずが、へっぴり腰に加え、膝がガクガク・・・
スケートのシューズってこんなに重いの!?こんなに滑っちゃうの!?
いやいや止まれって言われても、止まれないし!
スピンでくるくる回る?足を小刻みに使うステップ?3回転ジャンプ?
出来るワケない!難しすぎる!

取材では、
「表現力を高めることが課題なんだ~」
「スケーティングのスキルを高めたいんだね~。ふ~ん」
「スピンで体の硬さが目立つんだね~。なるほど~へぇ~」
と、選手と話したりするが・・・
今思えば、何を分かったような口を利いてるんだ、私!
スケートの難しさを身にしみて感じた。

これから極めるのはかなり無理な話だけれど、
自分がその競技を体験する事で、また違った目線で見られる気がする。
次は何をやろうかな~♪
とりあえず、鈴木明子選手お勧めのヨガに挑戦しようと考え中。

皆さんもぜひ、体験してみてください!アスリートの凄さを身にしみて分かるハズ!

ディレクター:U

2011年10月27日[木]

「フィギュアスケートシーズン到来!!」

世界一を決める氷上サバイバル・グランプリシリーズ開幕。本格的なフィギュアスケートシーズンが到来しました。

その一足先に、今月上旬中部フィギュアも開催。シニア2年目の村上佳菜子選手を始め、すでに世界舞台で活躍している地元のジュニア選手達も出場し、レベルの高い大会となりました。

さて、先週行なわれた第1戦GPシリーズアメリカ大会に、日本の新エース小塚崇彦選手が登場。注目の4回転ジャンプが決まらないなどジャンプで精彩を欠きましたが、ステップで最高評価のレベル4を獲得。これはGPシリーズ史上3人目です。今シーズン小塚選手が掲げるテーマ「音楽を演じる」、自身で選曲した『ファンタジア・フォー・ナウシカ』をしっかりと表現し、評価されたのです。優勝は逃したものの、小塚選手の表情は意外にも晴れやかで、大きな収穫になったそうです(現場取材した記者情報)。次戦の日本大会に注目です。

そして今週の第2戦カナダ大会には鈴木明子選手が登場。昨シーズンは不調に終わり、今シーズンは「初心に戻る」と語る鈴木選手。これまでプログラムに組み入れたことがない3回転3回転のコンビネーションジャンプにも挑戦する予定。今週の「スポケン!」でも紹介する予定ですので、是非ご覧ください。

GPファイナルへの切符を獲得し、頂点に輝くのは果たしてどの選手か?2ヶ月に渡る長く熱い戦いに要注目です。

ディレクター:K

2011年02月14日[月]

「フィギュア王国愛知 強さの秘密を垣間見た」

本当に改めて・・・最近思うのですが・・・
スポーツ選手たちは日々努力していて偉いな~と感心してしまう
私の担当であるフィギュアスケートの選手たちを見ていると
スケートリンクで毎日何時間もの練習を繰り返し行っている
早朝の練習を取材させてもらったときは
小学生低学年ぐらいの子供たちも午前6時から
リンク上での練習のために30分前からランニングやストレッチをして準備をしていた
フィギュアスケーターたちがすごく早起きなことにも驚いた
そんな選手たちがいざ試合に出場すると・・・
演技の時間はわずか2分~4分ほど
何時間も、何日間も、何ヶ月間も、何年間も積み重ねてきた努力の結晶は
たった数分で終わってしまう演技のために発揮されるのだ
失敗したからと言ってもう一度やり直すことはできない
たくさん練習してきたから必ず良い演技が出来るわけでもなく
ジャッジから高得点がもらえるわけでもない
評価は本番演技での出来栄えだけで決まってしまう
ある意味残酷だがそれが勝負の世界・・・フィギュアスケートなのだ
アイスショーやエキシビションでは華やかさ、優雅さを楽しむことができるが
普段の努力を見てしまった私はやはり競技を戦う姿に心を動かされてしまう
フィギュアスケートをやっている愛知県の子供たちに将来の夢を聞くと
「オリンピックに出て金メダルを取りたい」
「全日本で1番になりたい」
「難しいジャンプを跳べるようになりたい」
「目標にしてもらえるような選手になりたい」
などアスリートとしての高みを目指す子がとても多く
「アイスショーで素敵に踊れるスケーターになりたい」
というような舞台志向の子があまりいないのを知った
「フィギュアスケートは競うもの」というのが子供たちに染み付いているのだ
ピアノを習っている子が発表会で演奏をするのとは違う感覚なのだと思う
フィギュアスケートはスポーツ競技であるからこそ
勝者である1番になるため
多くの日々時間を費やし過酷な練習に取り組むことができるのだろう
地元愛知県のフィギュアスケートが強い理由はここにあるのかもしれない

ディレクター:K

2011年02月08日[火]

「家族愛」

最近、家族っていいなって改めて思う事があった。

フィギュアスケートは、美しさを競い合う、魅せるスポーツ。
演技や、技術は勿論、当然体型(見た目)も大切。
どうやってあんなにキレイな体型を維持しているのか、
あるスケーターのご家族に聞いてみた。

だいたい、夕方の練習が始まる前に、少しだけ何か食べ練習。
練習が終わったら、もう夜も遅いので、お腹が減っているけれど、牛乳や、ヨーグルトで我慢する。
そして、早朝に起きて、朝ごはんを食べ、朝の練習へ。
睡眠時間も少ないなか、毎日我慢の繰り返し。
ただでさえ思春期で、色々な事が不安定なのに、これだけ制御する事は本当に大変だと思う。

でも、大変なのは本人だけではない。
実は、一番身近な家族も、同じ苦労をしている。
毎日頑張っている娘の姿を見て、家族全員が同じように痩せていった事もあった。

「娘がこんなに我慢しているのに、私たちだけ食べられないでしょう。
睡眠時間を減らして、朝送り出したり、練習に行ったりするのも、所詮は娘よりも楽な事。
一緒に闘っていこうって昔から決めた。
だから、ウチにはお正月休みも、ゆっくりする暇もないんですよ。
あの子のストレスにならないようにしてるだけ、ただそれだけの事です」

家族全員で同じ事を考え、行動する。
「毎日大変な事だけど、このお陰で家族が一つになれるんですよ」


家族の温かさを感じ、少し羨ましくも思えた1日だった。

ディレクター:U

2010年11月29日[月]

「ロシアにてフィギュアスケート鈴木明子選手完全密着」

先日で開催されたフィギュアスケート・グランプリシリーズ・ロシア大会の現地取材のためロシア・モスクワへ派遣してもらいました。今回の海外での取材は系列局の一員としての派遣ではなく、メ~テレの独自取材!ということで事前に国際スケート連盟へ取材アクレジ(取材者が首からさげるIDカード)の申請を行いました。その申請が認められないと現地での取材はできないのです。

私たちローカル局が海外で行われる国際大会へスタッフを派遣するのはかなりハードルが高いものです。申請自体が許可されるかどうか半信半疑で書類を作成・・・。英字で記入する用紙、社名の欄には「Nagoya Broadcasting Network Company Limited」と記入。「名古屋テレビ放送株式会社」をアルファベットにするとカッコいいな~と思いながら・・・。
翻訳サイトを活用して慣れない英語でのメールを作成し送信・・・。

すると3日後に!
「NAGOYA-TV あなたが来るのを楽しみにしています」という返事が来たのです!!これは我社が世界スポーツジャーナリスト界でもしっかりと認められた瞬間でもあります。

ということでおよそ5日間モスクワにて地元の鈴木明子選手を中心に取材を行いました。
そして見事!鈴木選手は素晴らしい演技を披露して2位に輝きました。
2年連続でグランプリファイナルへの進出を決めるという快挙です。

この鈴木選手の舞台裏に完全密着した模様は今週12月4日(土)深夜のSPOKEN!でたっぷり放送します。

鈴木選手、長久保裕コーチ、たくさんの関係者の皆様のご協力を頂き、とても良い海外取材を行うことができたことを、この場をかりてお礼を申し上げます。

現在世界ランキング2位の鈴木明子選手!
ファイナルでの結果次第では世界ランキング1位になるチャンスもあります。
さらにその称号を持って来年3月東京で開催される世界選手権への切符がかかる12月末の全日本選手権に挑みます。

去年バンクーバーオリンピックをつかみとった感動の瞬間の再現を期待しながら・・・
地元選手みなさんを応援しながら・・・
これからもメ~テレはフィギュアスケートをしっかりと取材し皆様にお届けします。

ディレクター:K

2010年10月05日[火]

「スポーツの祭典」

前回のOディレクターと同様、今年の7月からスポーツ部に配属されました新米Kです。よろしくお願いします!

さて、先週末の東海地方はまさに「スポーツの祭典」でした。
まずは何といっても中日ドラゴンズのリーグ優勝!勿論メ~テレでもいち早く特別番組を編成しました。佐藤裕二アナ、スタッフがビールシャワーを浴びながら、感動と興奮をお伝えしました。金曜日ということもあり、名古屋の夜は熱く盛り上がったことだと思います。
日本シリーズをかけて、次はCSシリーズファイナルステージ。
抜群の勝率を誇るホーム・ナゴヤドーム開催ですので、巨人、阪神どちらが相手でも問題ないでしょう!

次は、本格的なシーズンを迎えるフィギュアスケート。
ちょうどドラゴンズの優勝と同じ日に始まった「中部フィギュアスケート選手権」。
特に今大会注目の選手は、世界ジュニアチャンピオンの村上佳菜子選手15歳。今シーズンからシニアに本格参戦。愛知から世界へ羽ばたいた浅田真央選手や安藤美姫選手、鈴木明子選手と同じ舞台に挑みます。
そのシーズン初戦。
ショートプログラムでは3回転・3回転のコンビネーションを見事成功!後半はキュートで躍動感あるステップ。さすがは世界ジュニア女王。
初めて生で観た村上選手の演技に完全に心を奪われ、会場の凍てつく寒さを忘れていました。
ノーミスで1位発進。期待がかかる翌日のフリーでは「今までにないくらい緊張した」と語った村上選手。冒頭の3回転・3回転が決まらず、本来の演技が出来ずに終わってしまった村上選手の目元に涙が。ほろ苦いシニアデビューとなりました(中部フィギュア選手権の模様は10/9(土)深夜にメ~テレで放送しますので是非ご覧ください)。

他にも大会連覇がかかったゴルフ石川遼選手やサッカー・名古屋グランパスの逆転勝利など、本当に盛りだくさん。
先週末のメ~テレスポーツ部は総動員総力戦でした。
スポーツで地元が盛り上がるのは活気が出ていいですよね。いよいよ本格的なスポーツシーズン到来。ますます熱くなりそうですね。

ディレクター:K

2010年03月25日[木]

人生とは

「ショートトラックはボクの人生そのものです」
誰しもアスリートであれば必ず終わりがやってくる。3月14日、日本が誇る一人のアスリートが現役を終えた。
ショートトラック元日本代表・寺尾悟選手(34)である。
すでに去年12月の全日本選手権で5度目のオリンピック出場を逃し、競技の第一線からは退いていた。
そんな中、神奈川県相模原市で行われたアジアショートトラック選手権の最終日。
全種目が終了し、表彰が行われたあとに日本スケート連盟が用意した特別な舞台で
寺尾選手は引退レースとして最後の500メートルを滑った。もうこれで現役として滑ることはない―――――
10歳でショートトラックに転向してから24年間、氷上を滑り続けた男の表情は実に晴れやかなものだった。

寺尾選手といえば、誰もがその実力を認める日本ショートトラック界の第一人者。
これまで全日本選手権を制覇すること12回。ワールドカップの前身である
ワールドランキング時代には96年に総合優勝を飾るなど数々の栄冠に輝いた男である。
しかし、そんな男の一つだけ届かなかった夢・・・。

「オリンピックでのメダル獲得」

オリンピックでは寺尾選手が初めて出場した94年のリレハンメルで4位が最高成績。
あと一歩まで詰め寄ったのに、あと一歩が足りなかった。その後も長野、ソルトレーク、トリノとオリンピックに挑んだが、それでも届かなかった。
勝負は時に非情なものだと思う。これだけの実績を残しながら世界最高峰の舞台でトップ3に入れない。
もし悔いが残るとすればきっとオリンピックでメダルが獲れなかったことと言うだろうと筆者は思った。
だが、男は違った。引退レースを終え、会見で言った言葉はこうだ。
「メダルが獲れなかったのは、正直どうしてなんだろうとは何回も思いました。
もし悔しい気持ちはあったとしても、その悔しさが今後の自分の人生に役立ててくれるハズだと僕は思っています。
だからメダルが獲れなかったことに悔いはありません」
男はハッキリと言った。悔いはないと。
17年間もの間、日本代表として君臨し続けた男の言葉に、勝負という世界を超えたものを筆者は感じた。

寺尾選手は現役を退くまでのここ数年を満身創痍で過ごしていた。そんな万全でない状態でも寺尾選手は決して弱音を見せない男だった。
強いアスリートだな、どうしてここまで出来るのかなといつも取材すると筆者は思っていた。
「やっぱスケートが好きなんでね」
「好きでやっているからここまで出来るんだよね」
「後輩に少しでも自分を見ていてほしいからね」
いつも決まって帰ってくる言葉は、こんな言葉だった。そしてその顔つきはいつも笑っていた。
ふと自分の人生に置き換えてみたくなった。ここまで強く生きられるだろうかと

強く生きるためには信念が必要だ。 筆者もいつか寺尾さんのようになりたい・・・。
例え苦難があったとしても、寺尾さんのように笑えるくらいの男でありたいと。
スポーツ取材に行った現場で、人生のあり方まで学んでしまった。筆者にとって、とてもいい一日だった。

ディレクター:Y

2010年02月03日[水]

フィギュア王国愛知から夢舞台へ

バンクーバー五輪があと数日で始まります
私の担当競技であるフィギュアスケートでは
鈴木明子選手、浅田真央選手、安藤美姫選手、小塚崇彦選手ら
愛知勢4人が夢舞台でメダルを目指し戦います

フィギュアスケートは華やかさが印象的なスポーツですが
選手たちはより高い点数を得るため日々壮絶かつ地味な練習をしています
それはまさに自分との戦い・・・
本番で見せる数分間の演技はこれまで何年間も積み重ねてきた努力の結晶
その努力の成果を本番で100%発揮できるかどうか
いろんな重圧を背負うだけに十分な心と身体を作り上げ本番に挑む愛知勢4選手たち
彼らをオリンピックが終わってもずっと応援していきたいと思います

ところで

スポケン!ではオリンピックのフィギュアスケート競技が終わった翌日の
2月27日(土)深夜
愛知県フィギュアスケート選手権を1時間拡大スペシャルで放送する予定です
この大会は村上佳菜子選手(15歳)や宇野昌磨選手(12歳)など
2014年ソチ五輪、さらに先の夢舞台を目指す次世代の新星たちが続々登場します
バンクーバーで愛知勢の大活躍を見た翌日には
「未来のオリンピック選手たち」が地元愛知の頂点を目指す熱い戦いをぜひご覧ください
メ~テレではキス&クライ(競技後に選手たちが自分の得点を見る場所)を
会場内に設営し大会を盛り上げます



大会は2月19日(木)~21日(日)まで日本ガイシアリーナで開催されます
皆さんぜひ会場で選手たちに温かい声援を贈ってください

ディレクター:K

2010年01月26日[火]

大舞台を前に…

いつの間にか1月も終わりに近づき、つい最近までお正月気分だったのが嘘のよう。
スポーツ部では2月のイベントが山ほどある。
ドラゴンズの沖縄キャンプ、グランパスの鹿児島キャンプ、FC岐阜の宮崎キャンプ、フィギュアスケート愛知県選手権、プレシーズンマッチなどなど。
2月のスポーツ部は部内がスッカラカンになる程大忙しなのだ。

でも、今年は忘れちゃいけないイベントがもう一つある。それは、『バンクーバーオリンピック』
東海3県からも沢山の選手が日本の代表としてオリンピックに出場する。フィギュアに至っては、殆どが愛知県出身の選手である。

先日、その中の一人である鈴木明子選手の取材に行った。
リンクではいかにもキツそうな練習が行われ、何度も何度も丁寧に調整をしているようだった。
練習時間が終わり、会見が始まった。

質問はお決まりの…「オリンピックでの目標は?」
だいたいの選手は、「メダルを獲ってきます」「悔いのないように頑張ります」という答えが殆ど。
私ももし、その場に立つことがあったなら同じような事を言うと思う。

しかし、鈴木選手は違った。
「観ている人が1人でも幸せになれるようなスケートをしたい。沢山の人にエネルギーを与えられたら…」これは、余裕というのか?ゆとり?どの言葉が適切なのか分からないが、初めてのオリンピックという超大舞台を前に、このような事が言えるなんて本当に凄いと思った。
私なら、オリンピックという空気に呑まれて、必要以上に意気込んでしまうだろう。
やはり、今までの努力とグランプリシリーズでの経験など沢山の事が彼女をここまで大きくしたのだと思う。彼女はきっと素晴らしい演技を見せてくれると信じている。

『世界中の人が幸せになれるようなスケートを…』
バンクーバーの会場が沸く瞬間が楽しみだ。

ディレクター:U

2009年12月22日[火]

一時代の終わり

一つの時代に終わりを告げる瞬間がとうとう訪れた。「どうなるか分からないですけど、これだけ真剣に滑ることはまずないと思います。」
そう涙ながらに話した男…ショートトラックスピードスケートの寺尾悟選手。34歳のベテランが語る事実上の引退宣言だった。
5度目のオリンピック出場をかけた全日本選手権で寺尾選手は初日、1500メートル6位。続く500メートルは7位と成績が振るわなかった。
男子の代表枠はわずかに3。初日を終え、トヨタ自動車の後輩である高御堂雄三選手と吉澤純平選手(とらふぐ亭)が早々に代表内定を勝ち取っていた。
残る枠は1つ、もう後がない。
2日目の1000メートルで全てが決まる。寺尾選手は「1パーセントでも可能性がある限り戦う」と前を向いた。
しかし、この大会で筆者は何度も寺尾選手が顔を歪めている姿を見た。これまでの取材で見たことがない、本当に苦しそうな表情だった。
去年の全日本選手権で12度目の総合優勝、そして大会5連覇。バンクーバーオリンピックへのプレシーズンに眩いばかりの栄光を掴んでいた寺尾選手が一転、
今年2月のワールドカップ遠征で左足首の脱臼骨折。懸命なリハビリで4月に復帰したが、思うような調整は進んでいなかった。
34歳のベテランに押し寄せる焦り、日本ショートトラック界の第一人者として圧し掛かる重圧は相当なものだったはず。
それでも10月の全日本合宿では「やっぱりスケートが好きだから。」と笑顔で筆者に話してくれた。
11月のスポケン!に出演して頂いた時には「トヨタの後輩たちと一緒にオリンピックに出る。」と熱い眼差しで語ってくれた。
そんなことを思い返しながら「寺尾悟、復活」と祈るような想いで2日目の1000メートルを筆者は見た。
迎えた1000メートル準決勝。序盤は先頭に立ち、心の中で「いける!そのままいってくれ!」と呟いていた。
残り3周。事態が一変する。明らかに状態がおかしい。コーナーの出口で大きく膨らみ、次々と後続にかわされていく。
どんどん小さくなる後輩たちの背中に何を思ったのだろう。寺尾選手の5大会連続のオリンピック出場が夢と消えた。
レースを終え、苦しい表情の寺尾選手を筆者は見られなかった。その後行われたB決勝はリンクサイドにいたが見なかった。いや、見たくなかった。
観客から拍手、ミックスゾーン(取材エリアの事)へと向かう寺尾選手に握手を求める人々。日本のトップとして大きな役目を終えたベテランが堪えきれずに涙を流していた。
「あちこち痛い中で続けてきましたけど、一つの区切りにしたいなと。もうこんなキツい態勢でもうやりたくない。」
気丈に話す男の姿にまた心を打たれた。気がつけば17年もの間、日本のトップとして君臨し続けた男は常に走り続けていたのではないか。
「オリンピックでの勇姿を見たい」そう思う筆者の気持ちは未だ変わらない。でも今は極限まで追い込んだ肉体をゆっくり休めてほしいと思う。
バンクーバーオリンピックへは寺尾選手の熱い魂を引き継いだ男子3名、女子5名が日本代表として大舞台に臨む。
そんな彼らに優しく、そして愛情いっぱいの温かい言葉でエールを送った寺尾選手。本当にお疲れさまでした。

ディレクター:Y