放送内容

2010年08月21日放送

中京大中京 名将最後の夏に完全密着

中京大中京。
数々の記録を持つ、全国屈指の名門野球部は、
春夏合わせて史上最多となる11回の日本一に輝いている。
昭和初期には前人未踏の夏の甲子園3連覇を達成した。
そんな名門を率いて20年となる大藤監督。
大学卒業後、静岡の高校で5年間コーチを務め、その後、中京大中京の監督に就任。
合計25年間、人生の半分以上を高校野球に捧げてきた。
そして、記憶にも新しい去年夏の甲子園 決勝。
名門校を率いる準圧と戦い続け、19年目にして悲願の全国制覇を成し遂げた。
目指すは、夏の甲子園連覇。大きな目標に向かい、チーム一丸となって突き進んでいた最中、
1つのニュースが飛び込んできた。
―大藤監督の勇退
夏の大会を前に、それが報道されてしまった。
「本当は隠しときたかった。変なプレッシャーを与えたくなかった」
最後の夏、何としてでもチームを勝利へと導くため、これまで培った全てを伝える。
そして、20年の集大成となる、最後の夏が始まった。
初戦は完封勝利と順調な滑り出し。
4、5回戦共にコールド勝ち。ゲームを重ねるごとに手ごたえは大きくなる。
準々決勝、さらに勢いを増す中京大中京打線。
投げては、エース森本が好投を見せ、圧勝の6回コールド勝利。
翌日、試合に備える中京大中京ナイン。
準決勝と決勝は連戦となるため、3年生にとっても監督にとっても、このグランドでの練習は最後となる。
ずっとここが監督の居場所だった。それもこれが最後の日…。
指導にも自然と熱が入る。淋しさを噛み締めながらも、時折笑顔でアドバイスを送る。
準決勝では、先発した浅野が5回までパーフェクトピッチング。甲子園まであと1つ。
迎えた決勝戦。投打が噛み合い、結果は7-2。2年連続26回目の甲子園出場を決めた。
試合終了後、勝ってもあまり喜びを見せてこなかった監督から、最後の夏で最高のガッツポーズがでた。
泣いても笑ってもこれが最後の甲子園…。
懐かしくもあり、切なくもある聖地への想い。
自分にとっては、これが最後だが、自分のことよりも、生徒が悔いなく全力でプレーすることだけを、ただ願う。
練習終了後、記者からの質問(Q今年で勇退となりますが?)に対し、苛立ちを隠せない監督。
自分のことは、関係ない。甲子園は生徒たちのもの。
何より生徒を思うからこそ、感情的になってしまう。
「オレの最後なんてどうでもいいけど、3年生にとっては最後。こでまで監督を20年やってて、
春夏の甲子園は40回、出場できたのはそのうち9回だから、31回は負けて泣いてる姿を見てきた。一生懸命やってきたのに、生徒が泣き崩れる姿を見るのが可哀相で可哀相で…。
そういう思いをさせてくない。だから頑張らなきゃなって厳しくもなる。」
泣き崩れる姿を見たくない…。その想いは25年間変わらない。
「やっぱり子供が好きなんだ。コイツらを見てると可愛くて可愛くてしょうがない。」
ただ子供が好きだから。…これこそが監督・大藤敏行の原点だった。
そして迎えた最後の甲子園…。
1回戦  中京大中京 2―1 南陽工
2回戦  中京大中京 21-6 早稲田実業
大藤監督 最後の夏は終わった…。
翌日、出発前に3年生全員を集め、監督として最後に歌のプレゼントをした。
歌の途中、監督はこらえきれず、涙を流した。
20年間の監督生活を終え、惜しまれながらもユニフォームを脱いだ大藤敏行。
長きに渡り、名将によって作られた『中京野球』はこれからも受け継がれてゆく。