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「大人でセンチメンタルな」

by カズ・スピーキング

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年の最初の舞台は「アイドル、かくの如し」です。

この舞台の魅力のひとつは、キャスティングです。

劇作家・演出家の宮藤官九郎が、生の役者で登場することが名古屋では初めてのこと。

劇団「大人計画」の本公演が名古屋では行われていないので、宮藤さんを見るには映画しかないんですが、「嫌われ松子の一生」に登場する作家に憧れて、結果自殺する男を演じた宮藤さんの演技が、この舞台のきっかけです。

病的に痩せて、目つきも悪く、厭世的で、わがままで最低な男の姿、松子に辛くあたる顔つきに狂気が宿っています。この人には俳優としてのデーモンがあるんだなと思います。

もう一人は、夏川結衣さん。強い眼差しの女優という印象は、その裏にある後悔とか悲しみの感情も強く伝えてくれるような気がします。
このところ初舞台の女優さんを立て続けに観ていますが、夏川さんと舞台は、最も違和感の無いものでした。印象的な台詞があります。

「・・・私も笑った・・・。そうよ、あなたが笑ったから、私は笑ったのよ・・・だって、何がおかしくって笑ったのなんかじゃない、あなたがそこにいて、何でもいい、あなたが笑った、だから私は笑うの、嬉しくって。あなたが笑うのが嬉しくって、ただそれだけで!」

夏川結衣という女優からこの台詞が発せられると、その悲しみの深さが身に染みてきます。

岩松了さんの戯曲が、名古屋で上演されることは、非常に珍しくなっていますが、大人でセンチメンタルな世界にどっぷり浸かっていただきたいと思います。

チケットは、もう残りわずかですのでお急ぎください。

 

 

2012年01月06日[金]