寡作で知られる映画監督小栗康平が9年ぶりに映画を撮った。ロケ地は、三重県鈴鹿市のNTT研修センター跡地、昨年、ここにひと夏住みついて5本目の長編「埋もれ木」に挑んだ。
小栗自身、自分の映画は、従来の撮影所や興行のシステムの中では、成立しないと考えている。つまり、既存のシステムに乗せると、さまざまな制約に妨げられ、真に世に問う作品が出来てこないというわけだ。今回、小栗は、撮影現場以上にその外での闘いに力を注いだ。資金集めや、劇場の確保、宣伝やパブリシティなどに奔走。制作費集めなど、すべて自分と少数のスタッフで行った。
映画「埋もれ木」完成までのプロセスに密着。映画監督が、創作面だけでなく、創作面での可能性を確保するため、どう苦闘しているか、それをとりまく日本映画産業の現状、さらに小栗が目論見のひとつに入れている「地元=鈴鹿との連携」がどう実ってゆくか、などを描く。 |